食品関係営業許可申請

飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業(食品関係営業34種類)については、都道府県知事の許可を受けなければなりません。(なお、知事の営業許可事務は保健所長に委任されています。)飲食店営業許可申請、その他食品製造業許可申請、各種届出等の書類の作成及び代理申請を行います。

 

営業許可を取るために必要なヒト(人、体制)の要件は何ですか?

 

  • 申請者が欠格要件に該当しないこと。(食品衛生法第52条第2項)

     

    食品衛生法又は同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過していない者。

     

    食品衛生法第54条から第56条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過していない者。

     

    法人であって、その業務を行う役員のうちにいずれかに該当する者がいないこと。

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  • 食品衛生責任者の配置

    許可施設ごとに食品衛生上の管理運営に当たる食品衛生責任者(栄養士・調理師等の資格者、指定された講習会受講修了者、これと同等以上の知識を要する資格として認められた資格を有する者)1名を置かなければなりません。

 

営業許可を取るために必要なモノ(営業所等)の要件は何ですか?

条例で定められた営業施設の基準(【共通基準】と業種に応じた【特定基準】)があります。

 

【共通基準】

  • [場所] 清潔な場所に位置すること。
  • [建物] 鉄骨、鉄筋コンクリート、石材、木造モルタル、木造造り等十分な耐久性を有する構造であること。
  • [区画] それぞれ使用目的に応じて、壁、板その他の適当なものにより区画すること。
  • [面積] 取扱量に応じた広さを有すること。
  • [床] タイル、コンクリート等の耐水性材料を使用し、排水がよく、かつ、清掃しやすい構造であること。
  • [内壁] 床から少なくとも1メートルまでは耐水性材料又は厚板で腰張りし、かつ、清掃しやすい構造であること。
  • [天井] 清掃しやすい構造であること。
  • [明るさ] 50ルクス以上とすること。
  • [換気] ばい煙、蒸気等の排除設備を設けること。
  • [周囲の構造] 周囲の地面は、耐水性材料を用いて舗装し、排水がよく、清掃しやすい状態であること。
  • [ねずみ族、昆虫等の防除] ねずみ族、昆虫等の防除のための設備を設けること。
  • [洗浄設備] 原材料、食品、器具及び容器類を洗浄するのに便利で、かつ、十分な大きさの流水式の洗浄設備並びに従事者専用の流水受槽式手洗い設備及び手指の消毒装置を、当該洗浄、手洗い及び消毒に適した位置に設けること。
  • [更衣室] 従事者の数に応じた清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設けること。
  • [保管設備] 取扱量に応じた原材料、食品、添加物並びに器具及び容器包装を衛生的に保管することができる設備を設けること。
  • [給水設備] 水道水又は指定機関若しくは事業者が行う検査において飲用適と認められた水を豊富に供給することができるものであること。
  • [便所] 作業場に影響のない位置及び構造とし、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備及び手指の消毒装置を設けること。
  • [汚物処理設備] 廃棄物容器は、ふたがあり、耐水性で十分な容量を有し、清掃しやすく、汚液及び汚臭が漏れないものであること。
  • [清掃器具の格納設備] 作業場専用の清掃器具と格納設備を設けること。

 

【特定基準】 例:「飲食店営業」

  • [冷蔵設備] 食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。
  • [洗浄設備] 洗浄槽は、二槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備のある場合は、この限りでない。調理を行う従事者専用の流水受槽式手洗い設備及び手指の消毒装置を、手洗い及び消毒に適した位置に設けること。
  • [給湯設備]  洗浄及び消毒のための給湯設備を設けること。
  • [客席] 客室及び客席には、換気設備を設けること。客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。また、食品の調理のみを行い、客に飲食させない営業については、客室及び客席を必要としない。
  • [客用便所] 客の使用する便所があること。ただし、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。なお、客の使用する便所は、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること。
  • [排水設備] 前処理室には必要に応じて、排水が良好で、清掃が容易に行える構造の排水溝を設けること。

 

営業許可を取るために必要なカネ(財産的基礎・金銭的信用)の要件は何ですか?

特にありません。

 

申請書を提出してから、大体どれくらいの期間で許可が下りるのですか?

飲食店営業については、施設の着工前に保健所に事前相談に行き、施設完成予定日の10日くらい前に保健所に申請書を提出することとされています。

 

「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」が制度化されるとは?

製造・加工、調理、販売等を行う、原則として全ての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求めることです。ただし、大規模事業者や特定の業種(と畜場、食鳥処理場)は「HACCPに基づく衛生管理」を求められるのに対して、小規模な営業者等については「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が2020年6月から制度化されます。

 

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、事業者自らが、食中毒菌汚染等の危害要因をあらかじめ把握(Hazard Analysis)した上で、原料入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程(Critical Control Point)を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法のことです。

 

小規模飲食店の場合、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、具体的に何をすることになるのでしょうか?

次の4つのステップになります。計画書等の様式につきましては、各業界団体で手引書を公開していますのでご参考にしてください。実際には、施行から1年間の猶予がありますので、2021年6月(予定)までに衛生管理計画を作成する必要があります。

 

  1. 衛生管理計画を策定し、従業員に徹底します。
  2. 必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定めた手順書を作成します。
  3. 衛生管理の実施状況を記録し、保存します。
  4. 衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に検証し、必要に応じて内容を見直します。